わたし郡司フーちゃん

あのね、9月だったけれど、わたしシャンプーしたのよねー。
お母さんが朝からすごーい顔をして、これから勝負に出る姉さんみたいだったけれどねー、それくらい腰の痛いうちんちのお母さんにはわたしのシャンプーはいざいざ勝負なのよねー。
兄ちゃんがやってきて、まず風呂場で待っているお母さんのところでシャワーをジャアジャアかけてぬれねずみ状態のわたしの体にどんどんシャンプー液をぬりこむお母さん、それからシャワーをジャンジャンかけて汚れとシャンプーの泡を流すお母さん、とっても真面目でまっしぐら、10歳は若いわーと思う私だったわ。
それから兄ちゃんがリードで部屋に、そこに敷いてあるバスマットの上でドライヤーで乾かす兄ちゃん、タオルを持ってまるで鼻歌でもうたいそうな顔、お気楽兄ちゃんだわーってわたし思ったんだよね。
いつだってなんだって、まっしぐらでまじめなうちんちのお母さん、それなのになんでも、いつでも鼻歌歌いそうな兄ちゃんの顔、うちんちの家族はまったく真逆なんだからさ。

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