『スズメの来る喫茶店』

 久しぶりに裏の喫茶店にコーヒーを飲みに出かけました、コロナウィルス対策でドアが半開きです。
そしてそのドア近くのテーブルでコーヒーを飲んでいると、「チュンチュン、チュンチュン」とかわいらしい鳴き声がすぐ近くに聞こえます。
その鳴き声が遠くなり、聞こえなくなって、またしばらくすると「チュンチュン、チュンチュン」とすぐ近くで聞こえるのです。
「このお店の軒下にスズメの巣があるのかしらねー、2羽のスズメがとっかえひっかえドアのところで舞い降りて泣いているのよ。」
一緒に行ったYさをが教えてくれます。
「ほーらフーちゃん、スズメさんがお友達になりたいなーって言っているよ」と、私は足元のフローラに話しかけます。
「あらー、本当にお友達になりたいみたいよ、2羽がお店の中にチュンチュンと入ってきちゃったわ」と、Yさんの声が華やぎます。
人間の足で2歩、スズメの足では何歩になるのでしょうか、スズメたちはそこまでくると身をひるがえしてサーッと飛び立ちました。
「いいわねー、スズメのくる喫茶店なんてさ」と、私も言いながらフローラの頭を撫でます。
そして思いました、コロナウィルスで私たちはのんびり過ごすことの大切さを知ったけれど、きっとスズメたちもゆったり暮らすことの楽しさを知ったのかもねーと。

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