3回続けて行った鎌倉ですが、立ち寄りたくてまだ立ち寄れなかった場所、『鎌倉文学館』に4回目で行く事にしました。
駅からの道はなれっこ、なにしろすでに今回は4回目の訪問、前3回はクローズだったり、館独自の行事があってクローズだったりです、でもこの道は坂道で文学館の間近まで普通の民家が立っていて、それでも生活臭はほとんどなくて、ちょっと不思議な雰囲気の場所です。
すでに時計は12時、ランチタイムですが、踏切近くのラーメン屋さんはちょー満員、カマクラ魚料理のお店も行列、お寿司屋さんは目玉が飛び出るほどのランチ価格、「あれーまたまた食いぱぐれになっちゃうかなー?!」と思ったら、たい焼きのお店はもともとはパン屋さんで奥にフードコートがあって、焼きたてホカホカピロシキも食べられるとの事、私たちはお店のお客になって鎌倉の町でロシアの家庭料理の焼きたてピロシキをフーフーさましさまし食べました。
しかしこのお店は商売っ気まるでなし、なぜならば飲み物はななにひとつないのです、だからリックから水筒を持ち出して、朝作ったミルクティーを飲みながらピロシキをほおばります。
「前回は鎌倉でタイ料理ランチだったし、なかなか私たちって国際派だわねー」とガイドヘルパーKさんと笑いながらのひとときです。
足元ではフローラがなぜか神妙な面持ちでダウンしています。
さあいよいよ鎌倉文学館、川端康成さんも、小林秀雄さんも、大佛次郎さんも、私たちの来客を待っていてくださった事でしょうと、リックを背中に品格のある門を開いて中に入りますと、お庭いっぱいに薔薇の花がとてもきれい、かぐわしい花の香りもフクフクと漂ってきます。
秋の薔薇の花は春もものほど豪華さはないけれど、でもしっとりと美しくて気品のある佇まいです。
そんな花の中をあっちこっちと香りをたどって歩きまわって、そろそろ腰が痛くなった頃合いに建物の中に入りました。
この鎌倉にはたくさんの文学者がかつてお住まいだったようで作品の生原稿が展示してあります、以前の作家さんたちはワープロをつかわないでの創作です、とても文字が美しく、品格があって、それもまた実に芸術的です。
この建物そのものが前田藩の別邸だったということで、あちらこちらの造作そのものもとても芸術的なのです、そこの休憩所のフカフカソファーに腰をかけて自販機でミルクたっぷりなコーヒーを飲んで、はるかに見える湘南の海を眺めながら、館内に静かに流れるすてきな曲を最後に楽しみました。
そして今回はきっとこれで鎌倉散歩はおしまいにという気持ちだったので、鎌倉彫の『コーチャポット敷』に使えるかなーとすてきな鶴がデザインされているものを大枚、清水の舞台から飛び降りる気持ちで「えいやー!」と買い求めました。
このすてきな手彫り、鎌倉彫の逸品は、行きたかった所、気にかかっていた場所を訪ね歩いて4回目、満足したわの記念に、そしてここからの私の日々へのプレゼントでもあります。