西武池袋線って私にとって懐かしい路線です、まだ目が見えて新宿の建設会社で勤務していた頃、私はこの線の《ひばりが丘》に住んでいました、失明してからも幸治さんと結婚するまで住んでいたので、20代から30代まで10数年、駅から徒歩10分、古い木造アパートに暮らしていたのです。
会社の春の娯楽、一大行事《運動会》があって、それは としまえんでの開催でしたし、家から近かったので個人的にも時々遊びに行きました。
今50歳になるでしょうか、姪が小さかったころ としまえんに連れて行くと、足になんらかの細工がしてあるのでしょう、見上げるほどの大男が園内を歩いている姿を見て、大きな瞳をますます大きく見張って、口をポカーンと開いて驚いていたのも懐かしい思い出です。
日本で一番古いというメリーゴーランド、どれだけの子供たちが、若いカップルが歓声をあげたことでしょうか。
最近の私は、おしまいになるってことは寂しいだけではなくて、今まで懐かしく思いでとして持っていたものまで心の奥底に追いやられるような気持ちがしてきます。