わたし郡司フーちゃん

あのね、18日の金曜日は、3日遅れの幹太兄ちゃんの誕生日会だったんだよ。
「今年はお金がないからさ、わが家でささやかにね」ってうちんちのお母さんが言っていたけど、『ささやか』ってどういうことなのーってわたし思っていたんだよね。
そうしたら、お母さんが作ったおかづで、お母さんがテーブルに並べて、お母さんが「さあどうぞ」って言うんだよねー。
プレゼントは最近うちんちのお母さんが愛用の大きなバスタオルだったわ、あれって月曜日にわたしとお母さんとで馬喰町で買ってきたんじゃあないのー??!!
なーんだ、あれが幹太兄ちゃんのバースディープレゼントだったのか?!?!
ハッピバースディーの歌をうたってさ、そしてお母さんがきいたんだよね、「あのね、あんたっていくつになったんだっけか?」ってね。
「さあー、37かなー、38かなー??」って幹太兄ちゃんが言うと、「なーんで自分の歳わからないの、変な男ね!」ってお母さんが唇だけで笑ったんだよ。
兄ちゃんてれているんだー、そしてお母さんがそんな兄ちゃんをからかっているんだわって、5歳のわたしでもわかったんだよね。

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