わたし郡司ウラン!

あのね、お母さんとわたしは先日の小雨模様のお天気の日に「入店拒否」に遭遇、お昼を少し過ぎたそれほど大きくはないレストランだったけどね。
お店のドアを押して顔を覗かせると、お姉さんが「いらっしゃーいませ」と高くてかわいらしい声、「あれー・・・・どうしましょう」といった雰囲気が流れて、それから「盲導犬ですか?!」、つぶやくような当惑気味の小さな声、「そうなの、盲導犬もいっしょなの、タオルで着ているレインコートはすぐにふきますよ、とてもおりこうさんだしかわいらしいでしょ」とうちんちのお母さんが懸命なるケアーに努めたものの・・・。
あらー、どうしましょうの沈黙しばし、それからおそるおそるで「玄関のドア外でのお食事ではだめですか?」ってたずねてきたのよ。
「ドア外ってここのこと?」とお母さんが足でトントン、それから「だって霧雨が食事に吹き込むでしょ、それにテーブルが置けるかしら?」とたずね返して。
誰もがしばし沈黙、それからお店のお姉さんは「あのー、予約でいっぱいですから、ごめんなさい」と本当に小さな声で、「あらー、予約でいっぱいじゃあ仕方がないわねー、じゃあまたね」とあっさり、きっぱりのお母さん、「ごめんなさいでもまた是非いらっしゃってくださいね」のお店のお姉さんの声を背中にドアを閉めました。
「きっとまたおじゃましましょう、その時には盲導犬入れてよかったわの気持ちになりますように」って、うちんちのお母さんの声無き声がわたしには聞こえたわよ。

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