私にはたまに行ってみたくなる場所、そこに立ってみたくなる場所があります。
日本医科大学付属病院、今から48年前私は自分の失明を自覚した場所、でも決してそれを受け入れた場所ではないんだけれど・・・・・・。
でもそこだけを目指しては行きたくはないので、今回も事のついでのようにしてトイレを使わせてもらうために立ち寄ってみたんだったけれど。
3月のある事件から始まったモヤーッとした塊を心から跳ね除くためには、とにかくねじ伏せる、これしかないわねーと決心した時から、またまたあの場所に立たなければと、そして自分に「ファイト!」と気合を入れるためには、どうしてもそこに行く必要があったのでした。
根津神社は今はきっと《つづじの花》が満開でしょう、最近こっている《絵ハガキ通信》のハガキを夢二記念館で買い求めたいからと、理由をつけての、今回のテクテク遠足、お天気は予報に反して雨は降らずに曇天、吹く風はさわやかで腰痛なんてなんのそのと言いたかったけれど、やはり痛いのだけは不愉快だったわ。
「さあ、フーちゃんお出かけよ」と、ガイドヘルパーKさんと10時にわが家を出発、まずは千代田線で根津駅、そこから地上に出てから迷うこともなく『夢二記念館』にでした。
そこで大正ロマンタップリの絵を眺め、かつて少女たちの胸をときめかしたでしょう少女雑誌に掲載された絵を眺め、売店で絵ハガキを10枚買い求めて、また家並みの並ぶ細い路地道を歩いていると、小さな街の中のレストランといったお店に、そこでランチタイムをしましょうとテラスのような場所で腰を下ろしました。
日本医科大学のすぐ近所の和菓子屋《一呂庵》でお目当てもなかを買って、ついでに今日のごくろうさん会で食べる《ずんだ蒸しどら焼き》も2個買い求めて、かつて母の大好きだったお店のガラガラ戸を出ました。
日本医科大学の建物はさすが48年前とは少し違ってはいますが、建物そのものはなんの変化もなく、ここがかつて入院入り口だった場所だなーと思うところから入って、そうしたら驚く事にスタバがありました、しかし今回の私の行き先はトイレでした。
根津神社のつつじを見て回る頃には、私の腰の痛さはそろそろ限界に達しそうで、「もう帰りましょう、雨が降らないうちに」と声をかけて、またまたお茶の水で地下鉄からJR乗り換えで、わが家の駅に降り立ったころには、すでに薄墨色の風が吹いていました。