『社会を変えるのは、私たちの小さな思いです』

 先日ランチタイムにスープストックのお店の注文レジに並びました、ガイドの真理子さんと一緒でした。
3歳くらいの女の子でしょうか、私とフローラの周りをピョンピョンはねながら、「ワンちゃんワンワン、ワンちゃんワンワン」とはしゃいでいます。
「あのね、このワンちゃんは今目の見えないおばさんのお目目のお手伝いをしてくれているのよ、だから少し静かにね」と言っても、言っても、だめなのです。
何故だか大はしゃぎで、その様子は実にかわいらしくてほほえましくもあるのですが・・・・・、あまりにしつこくて少しイライラもしてきます。
そしてついに《フーちゃんママ》の私は言いました。
「このお嬢ちゃんのお母さん、どこにおいでですか。
こういう所でのマナーをお嬢ちゃんに教えてあげてくださいませんか、お願いします」とです。
真理子さんがテーブルについてから、「七重さんはすごいねー」と言います。
「あのね、私たちはこうして盲導犬を社会の中に根付かせながら生きてきたのよ。
私は盲導犬と暮らして40数年だけれど、その前の20年を支えた人たちは、もっともっと努力をしたはずよ。」
そう応えながら一瞬の事ですが、さまざまなあれやこれやが走馬灯のように私の頭を駆け巡ります
一気に社会の概念を変えるなどというような事は大きなムーブメントを巻き起こさなければ無理ですが、私たちの小さな思いがひとつずつ重なって、重なって、今盲導犬がいる社会ができあがって来たのです。
小さな思いは誰もが持って、いる願い事です。
そして生きていく為には大切な原動力なのです。

【写真】正面玄関にて

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