『独りじゃあないんだよね』

 気持ちにドーンとするような出来事がありました、つらいなんて言葉では足りないほどの苦しさでした。
落ちこみました、突然アッパーカットで頭から逆さに倒れたほどの衝撃でした。
なにもかにもがいやでたまらなくなりそうでした。
横になってウツラウツラしていたら、冷たいものがまず私のほほにつんつんしました、そして出していた手にもつんつんしています。
あれーって思ったら・・・・、フローラが鼻先でつんつんしてくれているのです。
ああ、心配してくれているのね、独りじゃあないんだねって思いました、そうしたら私のほほにほんのりあたたかなものが流れていきました。
「フーちゃんとお母さんはいつでも一緒だね。」と言うと、あわてて逃げていく足音が微かに聞こえていました。
それは恥ずかしがり屋の私の5番目の娘フーちゃんの『あらー、みつかっちゃったわー!』の足音でした。

【写真】足元で郡司さんの見上げるフーちゃん

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