『晩秋最後のテクテク遠足は丹沢大山国定公園のふもとでした』

 今年の深まる秋の風景を眺めに出かけるテクテク遠足は『丹沢、大山国定公園』にでした、といっても標高1525Mを登った訳ではありませんが、それでもほんの少しだけ山登り気分も味わえた11月下旬、秋晴れのすてきな一日でした。
 朝少し早めの小田急線伊勢原駅で下車した私たちは大山行のバスに乗り込み、まずは大山のふもともふもと、まだ街並みの残る終点で下車、そこからケーブル乗り場まで歩きますが、ここがまず難所、石の階段はところどころ踊り場があるものの、次々と表れて本当にどこまで続くのっていった気持ちでしたが、ただその石の階段の道にはずーっとおみやげもの屋さんや茶店風のお休みどころが続いているのです。
あらかた上ったところで、私たちも少し早めのお昼ごはんを食べることにして、1軒の茶店風のテーブルに着きました。
そこで私は味噌だれ大山豆腐と蕎麦のお昼をとりました、蕎麦もおいしかったけれどなにしろこの大山は『大山豆腐』がとても有名なので、そのお豆腐をまず一口と口にふくんで思わず目を細めます、大豆のにおいが口の中にひろがってなかなかな美味でしたので、店先に並んでいた『豆腐のみそづけ』なるものを買いました。
お昼を食べた後まだまだ石の階段を上って、登って、やっとケーブルカーの駅に着きました。
そこからはピューッと山の中腹ぐらいでしょうか、下りてから平らな場所までまだ石の階段が続きましたから。
ここから山のいただきまで登る人たちの群れを見ながら私たちはここで丹沢渓谷のパノラマを楽しむこととしました。
空気は体に染み渡るほど清々しく、深呼吸すれば体のすみずみまで秋のにおいが入っていきます。
そして私たちの顔まで周りの色とりどりの葉の色合いに染まるようでした。
茶店であまざけをフーフーしながら飲んで、そこでフローラの食事をさせて、ワンツータイムもすませて、私たちは早々の帰路のケーブルに乗りました。
そしてあんなに息はずませて、痛い腰を気にしながら苦労して上がって行った石の階段でしたが、本当に下りる時はただただ下ればよいのですから、あっという間の事でした。
「あれー、もうおしまい?!」と言ったら、ガイドヘルパーKさんが「それじゃあもう1回上がりましょうか?」と言われて、首を横に振りながら笑いました。
おみやげにすばらしいどんこの一袋と『猿の梨』という小さな果物のドライフルーツを買いました。
これは猿が好んで食べる梨のような実なのだという事で、味見用の一粒を口に含むとなんだかちょっとだけ猿になったような気持ちがしました。

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