花屋のお姉さんみたいなウェンディ

 「ウェンディはどうも恋をしているみたいだわ、それも魚屋のお兄さんみたいな彼に」
突然そう思ったのは『全日本盲導犬使用者の会・福島大会』の真っ最中、猪苗代の『ホテル りすてる』のエレベーターの中ででした。
ウェンディは雰囲気的に『お花屋さんのお姉さんみたいだし、そして彼は雰囲気的には魚屋さんのお兄さんみたいだから、「まあこれってピッタリなんじゃあないの」ってね、そうしたらとてもうれしくなってきました。
4年間この会の会長を努めて、いつの年も大会の前後は不眠不休、本当にプライベートライフなどまったく無の日々、そして会長として最後の努め、今年の福島大会真っ最中、それなのになーんてこの余裕、思わず唇が微笑んでいました。
『会長さんはこれでおしまい』って、それも爽やかな気持ちで自分の手でピリオドを打つ、この日のために私の4年間の日々があったんだなーとも・・・・・・、そうしたらそうしたら、二十歳過ぎて日本にやってきて、それからこの難しい日本語をここまでマスターできたがんばりやさんのウェンディ、それなのにそんな歯をくいしばるなんて微塵もみせないウェンディ、このお花屋さんのお姉さんみたいなウェンディの恋をなんとか成就させてあげたいとついつい世話好きおばさんの血がさわぎます。
しかし・・・・『まてよ!』って声がどこからか聞こえてきます。
昨夜眠りにつく前に、隣のベッドでウェンディは言っていたわね、「自分が本当にその人を好きかどうか、愛しているかどうかが問題です」ってね。
私は夫の幸治さんと出会って、たった2週間で『結婚するわ!!』って決めちゃったけどね、そして後悔はまったくないんだけどさ・・・・。

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