あのね、うちんちのお母さんはお花屋さんのお店を眺めるのが好きみたい、いつも足をとめてお店の中をながめるもの。
今その店先はカーネンションのお花でいっぱい、真っ赤な、ピンク色も色合いが違うのがいっぱい、そして白いカーネンションやら、とても賑やかです。
うちんちのお母さんはその白いカーネンションのところで目を留めます、ずーっとはるか前、白い花嫁衣装とブーケでお嫁さんだった時、手に持つブーケはこの白いカーネンションの花束だったのですって。
「あの時はね、本当は白い百合の花束がよかったんだけれど、予算の都合で白いカーネンションにしたのよね、だってお値段がいっぱい違うし、なにしろいろいろ事情があってお金がなかったからね。」と言うのよ。
幹太兄ちゃん、お願いだから今年の母の日には赤い、真っ赤なカーネンションの花束を持ってきてね、お母さんはとても喜ぶし、わたしだってうれしいから。