『かけてしまったティーカップですが・・・・・』

 数年前に町散歩に出かけたときに、少しおもしろい形をしたティーカップを買いました、もちろんティーカップにつきもののとってはついていない、だから少し大きな湯飲み茶わんみたいなのですが・・・・・。
でもそれでティーを飲むととりわけおいしい気持ちになる不思議なティーカップだったのです。
 このところコロナウィルスのために在宅する日が多くなって、掃除機をかけてはお茶を、洗濯物をさおに通しては一休みをと、このカップでティーをたびたび飲むことが多くなりました。
ところが昨日、今口元にそのカップをの瞬間、スルリと私の手から滑ってキッチンとリビングの間のカウンターの上に落としてしまいました。
もちろんせっかくのティーもカウンターの上にドバーッと流れてしまったのですが、なによりガックリさせられたのはそのお気に入りティーカップがすこしかけてしまったのです、そのかけらもどこかに飛び散っていくら手で探っても見当たりません。
とてもがっかりでしたが、でも捨てる気にもならずに、だからといって戸棚の隅に置いておくという気持ちにもなれずに、いつものように使っていました。
今日の朝そのかけたところに左手の親指を置いたら「おお、なーんてジャスト、ジャストなの!」と思わず微笑みそうになるほど持ち心地がよいのです、そしていつも飲むトワイニングティーのアールグレーなのになんだか格別においしいのです。
「やはりこのカップには、人の心を穏やかにしてくれる力があるんだわー!」と私は何回も何回もうなづきました。
今日から4月、そして今日はエープリールフールその日ですが、これはけっして『ウソ話し』ではありません。
その証拠にフーちゃんがかけよってきて、「どれどれ」と私の手元を覗き込んで見ていますもの。

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