『きんもくせいの花の香り漂う今年の秋もそろそろおしまいです』

 今年の秋は雨降りが多くて、でもそのしめった空気の中にすばらしくすてきな香り、きんもくせいの花の香りが静かに染みるように漂います。
神楽坂の坂道を上がったり、下ったり、その間に間に私の体を包んでくれるように漂うこの花の香りはすてきです。
 母の危篤を告げられて新幹線でかけつけた時、老人サナトリュームの玄関にこの花の香りが染み沁みと漂っていた事は、母の最期の瞬間のほのかな笑みと共に、私には忘れられない秋の季節の記憶です。
あれから20数年過ぎた今年の秋、2022年の秋も、花の香りとともにそろそろおしまいですね。

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