わたし郡司フーちゃん

 あのね、近頃ウーンとたいくつなわたしなの、だってコロナウィルスさんのおかげでどっこもいけないでしょ。
うちんちのおかあさんもさすがに遠出はしなくなったし、せいぜいがひとつ前の駅で下車、そこからわが家まで少し多めに歩くか、ごみをマンションの外へ回って捨てに行くか、そんな程度なのよ。
「つまらないー!」ってぼやくわたしにお母さんが、「しかたがないの、しんぼうしんぼうだわ」って言ってからこう言ったのよ。
「フーちゃん、しんぼうって棒は、心の中にしっかり縦にして持っていなければいけないのよ、横になんてしちゃあだめなんだからね、フーちゃんわかる?!」
「えー? 私の心の中なんかにそんな棒ってどこにもないけど!!」
 いっくらヒマジンなわたしでも、このうちんちのお母さんの不思議な話、ちょっとのれないわねー?!?!

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