わたし郡司フーちゃん

あのね、私とお母さんが歩いていると・・・・・、向こうから「ワンワンワー!」という吠え声。
それがちかづいてきて、それもすごーいスピードでちかづいてきて、
「あれー・・・、だいじょうぶかなー・・・?!」ってわたし思ったんだよ。
だってうちんちのお母さんは犬にほえられるのが大嫌い、大のにがてなんだもん。
その自転車が歩道の車道側を通り過ぎる時、「わー、いたいー!!」ってうちんちのお母さん。
その自転車がお母さんの右腕関節にぶつかって通り過ぎて行ったんだ。
足をとめたお母さんは、「いたーい!」って何回も言っていたわ。
しばらくすると若いパパさんと若いママさん、幼い子供とワンちゃんがそろりそろりと近づいてきて、それでも少し離れた所から「だいじょうぶですか?」とその若いパパさんが声をかけてきたんだよ。
「どうしちゃったの?」と幼い子供の声、そしてママさんの「自転車がぶつかっちゃったみたいなのよ」という声も聞こえてきたわ。
「右腕関節が強く当たったから、指がしびれているのよ」とうちんちのお母さんが説明したんだけれどね・・・・・。
でもあまり反省した様子もなくただ「すいませんでした、だいじょうぶですか?」とパパさんは及び腰で言うだけなの。
結局ごめんなさいでさよならすることになったけれど、その別れ際に若いパパさんとママさんにうちんちのお母さんはこう言ったんだよ。
「みんなで使う場所って、誰もが幸福な気持ちになれるようにお互いに気働きが必要なのよね、私たちの生活ってみーんなで支え合ってのことなんだからさ」
「うんうん」って、うなづきながら、わたし思ったのよね。
「やっぱりうちんちのお母さんは74歳、それだけのことはあるわよねーー」。

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